古来インドのアーユルベェーダ、ギリシャ、アラビア半島のユンナ医学、そして中国医学いづれの国々の焚き香料(お香)は「楽しむ香」(精神的)「医療香」(内体的)として重要な役割を果たしてきました。
香の世界の歴史
クレオパトラがローズをこよなく愛し媚薬として使用していたことや、ミイラ作りの防腐剤としても必要とされていたという歴史があります。旧・約聖書の中にも多く精油が登場し、イエス・キリストが手にしたとされる精油が「フランキンセンス」(乳香)です。ペストという伝染病が大流行した17世紀の南フランスで、死んだペスト患者から金品を盗む泥棒たちが捕らえられます。しかし、この泥棒たちは、なぜかペストにかかっていません。その理由は、ローズマリー、タイム、セージ、ラベンダー、ミントなどのハーブを酢につけ込んで全身に塗っていたと言われており、香料を扱う商人たちは、伝染病にかからなかったと伝えられています。このようにとても古い歴史があり、植物療法、伝統療法、アラビアやヨーロッパでは精油が自然療法として用いられてきました。自然の恩恵を受けることにより、健康増進、健康維持に活用させていくことができます。
東洋の香りの文化は「焚く香の文化」
お香は、邪気を祓うために古くから使われており、浄化し清める作用があるとされており、お香を焚くことにより空間を浄化できると考えられています。葬式や法要、瞑想の時にも使用され、「香」の歴史を刻んできました。お線香は、「お香」を「線」にしたもので、お仏壇で焚かれている「お線香」も「お香」の役目を果たしております。日本は昔から、ご先祖様とともに、自然発生的に「邪気」や「病魔」などから身を守っていたのでしょう。また日本だけでなく東洋の香りの文化は、「焚く香の文化」であり、同じく「香」を焚くことによりその一助を担てっております。